平成26年2月にJ-NSC宮城で国会見学を企画・実行した際、お世話になったのが熊谷大議員でした。その時のお話がとても興味深くわかりやすかったので、選挙権年齢が18歳になった今、若い方に向けてのメッセージを、J-NSC有志がインタビューしてきました。


Q.熊谷さんの若い頃ってどうでした?点数を付けるとしたら何点でしょう。
僕は普段、若いインターンの子たちを見ていると、素晴らしいなと思うんです。
こんな若い時から政治に関心を持ってくれるってすごいことだなって。
僕は高校の時に留学をしたんですね。その時の情勢を掘り下げていくとプラザ合意などがあって、海外旅行や留学がしやすかったんですが、当時はただそれに乗っただけでほとんど何も考えてなかったなと。
その反省点も踏まえて、そういう目的意識みたいなものを若い人たちに持ってもらうにはどうしたらいいか、ということで「キャリア教育推進法案」というものを作ったんですが、今国会での成立は難しいので次の国会では通したいと思っています。
そういった点も含めて及第点ギリギリ…いや、赤点ぐらいかな…?

Q.今の若者はしっかりしているというお話だったので、18歳から選挙権を持てる事についてどう思われますか?
18歳から選挙権っていうのは、今やほぼワールドスタンダードですよね。
国会議員というのは、みなさんの主権の一部をお預かりして法律を作っていくのが仕事で、僕たちとしてもシルバーデモクラシーと言われる現状を打開したいという思いもあって、なるべく広い範囲の老若男女に物事を決定する代表者を選んで欲しいな、と思っています。
よく「一票で何が変わるんですか?」と言われるんですが、その一票がさまざまな場所でスピンオフしていって大きく政治を変えることがあるので、政治参画できる資格を持つという事がどれだけすごいことか、理解してほしいなと思います。

Q.その若者に希望を持ってもらうにはどうしたらいいと思いますか?
僕たちが反省しなければいけない点でもあるんですが、不況と言われてきたこの20年間、イノベーション(技術革新)があんまり出来なかったんですね。
この…録音してるのって米国製のスマートフォンですよね?こういうのって日本の企業から出るべき物だったんじゃないかなぁって。
ウルトラマンとかこうやって(時計を口元にあてて)通信してたわけじゃないですか(笑)
そういう発想が昔からあったにもかかわらず、実現する技術が日本から生まれなかったのは、景気が悪くて守勢に回らざるを得なかったからだと思うんです。
そして、社会保障費に31兆円かけているのに対し、若い世代の未来にかける文教及び科学振興費はたった5兆円なんですよ。
ここから何を生めって話になりますよね…。
それは福祉が悪いって話ではなくて、もっとバランスの取れた予算配分にしていかないと保たないんじゃないかなと。
で、これから日本発の新しい価値観をみんなで生むためにはどうしたらよいですか?って事を考えると「そのための予算を下さい!」って話になりますよね。
それを僕たち議員がしていかなきゃならない。そして、若い世代にはそれに呼応する形、もしくは先に引っ張る形で声をあげていただきたいな、と思っています。

Q.平和安全法制について、わかりやすく教えてください。
今って世界史でいうと、激動の時代に入ってると思うんです。
いつそんな事になったかというと、2013年9月10日、アメリカのオバマ大統領が「米国は世界の警察官ではありません」と演説したんですね。
それからあちこちでテロや軍事行動、挑発行為をする組織や国家が増えたんです。
それまでは紛争が起こるたびに、いちいちアメリカの海兵隊がすっ飛んでって「まーまー抑えて抑えて」って止めていたんですが、リーマンショック以降のアメリカの財政状況を考えれば、アメリカが「もうそれぞれ自分の国で守ってくださいよ…」となるのはわかりますよね。
日本は防衛費がやっと5兆円台になりましたけど、ほとんどが人件費なんです。
この少ない防衛費で、生き馬の目を抜くような激動の時代の国際社会の中で、どうやって我が国の国民の生命と、財産と、幸福追求権を守っていくかって言ったら、平和安全法制を整備して、9条のギリギリの範囲で日米同盟を強化していくしかないですよね。
手を引きそうになるアメリカに「ちょっ、待て待て待て、基地もあるしさ?」って引き留めて、なんとか我が国の安全を侵される場合にのみ、集団的自衛権の一部を行使するっていう。
そしてもしもの有事に備えて、もっとしっかり防衛しなければならないとなれば、憲法改正という手段を取ることになります。

Q.最後におすすめの映画を教えてください。
僕は映画が好きでよく見るんですが、邦画では今村昌平監督の「楢山節考」っていう、簡単に言うと姥捨て山の話なんですが…それと「愛を乞うひと」、洋画ではクリント・イーストウッド監督の「グラン・トリノ」と、マイケル・ムーア監督の社会保障を扱った「SiCKO(シッコ)」の4つを、必ずインターンの学生に勧めています。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
余談ですが、熊谷議員の好きなスイーツはモンブラン、チャームポイントは眉毛だそうです。
厄年を気にされていたので「きっと役どころが増える年になるんですよ」と言ったら、少しホッとされていました。

詳しくは 熊谷大公式サイト をご覧になって下さい。